私は学生時代の「公民」の授業で憲法を知り、大学の法学部で「憲法をより深く」学びました。
特に印象的だったのは伊藤真先生の憲法の授業。伊藤先生の本は20代でほとんど読み込みました。
そんな私が「憲法を変える(改憲)こと」について、今から反対の立場で話します。
でも最初に、賛成の人が何を言っているかもちゃんと紹介します。どっちの考えにも理由があるからです。
まず、賛成派が言うこと
賛成の人は、だいたいこんなことを言います。
- 1. 「現実に合わせよう」
自衛隊は実際にあるんだから、憲法に書いてハッキリさせた方がいい。 - 2. 「日本を守るために必要」
世界が不安定だし、備えを強くしないと危ない。 - 3. 「緊急のとき国がすぐ動けるように」
災害や有事に、国がすばやく決めて動ける仕組みが必要。
ここまで聞くと、「たしかに」と思う人もいると思います。安心したい気持ちは自然です。
それでも、私は改憲に反対です
憲法は「国民をしばる」より「国の権力をしばる」ためにある
ここがいちばん大事です。
憲法って、国民に「こうしろ」と命令するためのものじゃなくて、政治をする人たちに
「力を持っているからこそ、勝手にしちゃダメ」
「ここは越えるな」
と止めるためのルールです。
学校でも、先生や生徒会が強い力を持っているからこそ、ルールが必要ですよね。
それと同じで、国にも“強い力”があるから、ブレーキが必要なんです。
戦争や危機が近いと、民主主義が弱くなりやすい
危機になると、よくこう言われます。
- 「今は非常事態だから急げ」
- 「反対してる場合じゃない」
- 「国のために我慢しろ」
こういう空気になると、みんなでゆっくり議論する時間が減り、反対意見が言いにくくなります。
つまり、民主主義(話し合って決めること)が弱くなりやすい。
だから憲法9条は、「戦争をしない」という気持ちだけじゃなく、
社会が“危機の空気”に飲み込まれて暴走しないためのブレーキでもあるんです。
9条は「何もしない」じゃなく、「武力に頼らず平和を作る」考え方
私の好きな弁護士の伊藤真さんは、9条を「積極的に平和をつくるルール」だと考えます。
要するに、
「殴り返さない代わりに、話し合い・協力・外交を本気でやる」
ということです。
「弱い」どころか、けっこう難しくて強い道です。
すぐ力に頼るより、対話で解決する方がよっぽど大変だからです。
いちど憲法を変えると、“小さな変更”でも広がっていくことがある
賛成の人は「自衛隊を憲法に書くだけ」「ちょっと整えるだけ」と言うことがあります。
でも、憲法に書くというのは、「説明を足す」だけではなく、
国が“できること”を増やす根拠になりやすいです。
ルールって、一回ゆるめると、こうなりがちです。
- 「今回だけOK」
- 「次も同じだからOK」
- 「もっと必要だからOK」
そして気づいたら、最初のブレーキが弱くなっている。
だから私は、9条のブレーキを弱める方向の改憲には反対です。
私の結論
賛成派の「安心したい」「守りたい」という気持ちはわかります。
でも、私はこう考えます。
- 憲法は、権力が暴走しないように止めるもの
- 9条は、戦争に近づく流れを止める強いブレーキ
- 危機の時ほど、民主主義は弱りやすい
だからこそ、9条を弱める改憲には反対
安全を守るなら、改憲より先にできることがあります。
- 外交を強くする
- 災害に強い仕組みを作る
- 情報公開や政治のチェックを強くする
- 社会の分断を減らして助け合える国にする
こういう「武力以外の力」を強くする方が、平和にも民主主義にも合っていると私は思います。